処置2:コース設定の違いに対する処置
同じ開催日、開催場所であっても、コースの設定によって走りや
すさが違うことが考えられます。例えば、「東京競馬場の芝・20
00mのレースは、芝・1200mのレースに比べていいタイムが
出やすい」というような開催日に関係のない傾向がある可能性があ
ります。距離によってはその開催場所の平均値とかなり差があるこ
とがわかります。
こうしたコース設定(距離)の特徴は、開催特性に組み込まれて
いるか、あるいは、それを用いるときに付加されている必要があり
ます。 つまり、開催特性補正値は、
開催特性補正値=修正前の開催特性補正値×(AV1/AV2)
AV1 :開催場所、距離別の能力タイムの平均(芝/ダート別)
AV2 :開催場所別の能力タイムの平均(芝/ダート別)
となります。
処置3:開催場所ごとのレースレベルの片寄りに対する処置
開催特性補正値は、開催日、開催場所によっては、出走する馬の
能力レベルに片寄りがあることが考えられます。この片寄りについ
ても、開催場所ごとの特性を正確に求める上で考慮しなくてはなら
ない1点です。
夏開催される新潟競馬では3歳新馬戦が多く行われますし、札幌、
函館、福島でも同じことがありえます。表3−5は、レースを
1.アラブ3、4歳戦
2.アラブ4歳以上戦
3.サラ3歳戦
4.サラ4歳戦
5.サラ4歳以上戦
の5種類に分けた場合の能力タイムの平均を表したものです。それ
ぞれ種別、年齢ごとに能力差があることが分かります。この表を基
に、当該開催日、開催場所の全レースについて、上の1〜5のどれ
に該当するか調べてその日のレースの能力レベルに片寄りがなくな
るように(平均レベルとなるように)、開催特性補正値を修正する
ことが必要です。表3−5から、レースレベルを表す指数に関して
芝 ダート
アラブ3、4歳戦 : 1.0
1.0
アラブ4歳以上戦 : 50.7
39.7
サラ3歳戦
:
46.6
35.0
サラ4歳戦 : 64.5
50.5
サラ4歳以上戦 : 100.0 100.0
と設定すると、
レースレベルを表す指数に対する能力タイムf(x)は、
芝 f(x)= -0.0003555x + 1.0271
ダート f(x)= -0.0003886x + 1.0270
f(x):レースレベルを表す指数に対する能力タイムの平均
x :レースレベルを表す指数
となります。