A馬場状態、コースの状態・傾斜・荒れ具合の補正
これらの項目は、年月日別のコース特性、つまり、開催日、開催
場所ごとの特性(以後、開催特性という)と考えることができます。
開催特性は、その日、その場所で行われたすべてのレースのすべて
の能力タイムを芝/ダート別に平均し、前項で述べた距離・芝/ダ
ート別の平均タイム(表3−2)との比をとることによって求める
ことができます。表3−4は、年月日、芝/ダ ート、開催場所別
の開催特性を表す数値(以後、開催特性補正値という)の例を示し
たものです。表中の開催特性補正値は、能力タイムと同様に、1を
平均として、小さければその開催日、開催 場所のレースはいいタ
イムが出やすかったことを、大きければその逆を意味します。した
がって、前項で求めた能力タイムの基本値を、この開催特性補正値
で割ることによって補正することができます。
しかし、この補正された能力タイムは、場所、馬場状態、コース
の傾斜等について、次の3つの問題点があり、それぞれ処置を施す
必要があります。
処置1:馬場状態の急変についての処置
馬場状態については、天候の急変によりその日の中で異なった状
況になった場合には、「その日のコース特性」ではなく「そのレー
スのコース特性」ということになり、不正確になってしまいます。
これを防ぐために、その日、その場所での平均馬場状態(良:1、
やや重:2、重:3、不良:4とした場合の平均値)と各レースで
の馬場状態との違いを、一般的な馬場状態の影響データを基に修正
する必要があります。
図3−6は、全データについての馬場状態と相対的タイムの平均
の関係、つまり、馬場状態についての一般的傾向を表しています。
REVO2000では、過去のデータからこの傾向を求め、芝/ダ
ート別に最小2乗法を用いた2次関数近似式に置き換えて計算して
います。そして、開催日・開催場所ごとの平均馬場状態を表す数値
と各レースの馬場状態を表す数値を、その2次関数にそれぞれ代入
して得られる2つの値の比によって、開催特性補正値を修正してい
ます。つまり、
開催特性補正値=修正前の開催特性補正値×(f(X1)/f(X2))
f(X):過去のデータから得た馬場状態の一般的傾向を表す2次関数
X1 :開催日、開催場所ごとの平均馬場状態を表す数値(芝/ダート別)
X2 :各レースの馬場状態を表す数値(芝/ダート別)
となります。