@距離、芝/ダートについての無次元化
距離が異なれば、あるいは、芝/ダートの条件が異なれば、当然、
走破タイムも異なります。芝/ダート別の速度で表せばすべてのデ
ータは同次元になりますが、1000mを走った時の速度と320
0mを走った時の速度では、当然後者の方が遅くなり、異なった距
離のタイムデータを比較することができません。図3−4は距離別
の馬の走る速度(m/秒)の平均値を表したものです。距離が長く
なれば、速度が落ちることが分かります。
この問題は、距離、芝/ダート別の平均タイム(場所、馬場状態
等の区別はない)との比をとることによって解決できます。ただし、
前述のように、この際、「距離、芝/ダート別の平均タイム」に距
離・芝/ダート以外の因子の片寄りがあってはなりません。REV
O2000では、この片寄りとして、距離別のレースレベルの違い
を考慮し補正しています。この際のレースレベルは馬齢によって区
別しています。図3−5は、馬齢別の相対タイムの平均、そして、
表3−1は距離、馬齢別の馬齢戦の回数を表しています。距離が短
い場合には3歳馬の出走回数は多く、長い場合には少なくなってい
ます。図3−5から馬齢別のレベルが分かるので、表3−1の距離
別の出走回数に合わせて平均タイムを補正します。そして、この補
正した距離、芝/ダート別の平均タイムと実際のタイムの比を計算
すれば、距離、芝/ダートについて無次元化された数値(能力タイ
ムの基本的値)が求められます。
表3−2は距離・芝/ダート別の平均タイムを、表3−3はそれ
から求めた能力タイムを表しています。この値は、大きいほど能力
が低く、小さいほど能力が高いことを表しています。
以上を、式で表すと、
能力タイム=走破タイム/レースレベルを考慮した距離別平均タイム
(芝/ダート別)
となります。