C負担重量についての補正
負担重量の影響については、「1kgは、0.2秒に値する」と
言われていますが、実際にはどうなのでしょう。
負担重量は、ハンデ戦、馬齢戦、別定戦等のレースの種類によっ
て異なりますが、通常は、馬の成長、実績に合わせて増えていくと
考えてよいでしょう。そのため、負担重量1kgがどの程度タイム
に影響を与えるかを調べようとしても、馬の成長分、変わり身等と
負担重量の増加が重なって現れるため、なかなかよい方法がありま
せん。REVO2000では、成長がほぼ止まると思われる5才か
ら、まだそれほど衰えがない8才までの競走馬につ いて、芝/ダ
ート別にそれぞれ負担重量比(注)と能力タイムの関係を1次関数
近似式で表し、その傾きの平均値によって、負担重量の影響を決定
しています。牡馬、せん馬は56kg,牝馬は 55kgを標準の
負担重量として能力タイムを補正しています。 それによると、馬
体重500kgの馬で、2000m芝コースのレースの場合、負担
重量1kgは約0.03秒分に、同じくダートコースの場合は、約
0.02秒分に値するという結果が得られています。ただし、これ
らの数値には、馬の成長、変わり身等による誤差(負担重量の増加
分以上に馬が、成長、急変した場合に生じる誤差)がいくらか含ま
れているため、実際の数値はもう少し大きい値であることが想像さ
れます。それにしても最初に述べた0.2秒という数字は、少し大
きすぎるのではないでしょうか(大体、この説では、距離その他の
条件が分らないので、判断できません)。図3−9は、ハンデキャ
ップ戦における芝/ダート別の負担重量と能力タイムの関係を表し
たグラフです。ハンディを多く背負っている馬の方がいいタイムで
走っている傾向が分かります。つまり、現在のJRAのハンデキャ
ップ設定には若干甘い部分があるということになります。
REVO2000での負担重量についての補正を式で表すと、下
記のようになります。
負担重量補正値=f(X1)/f(X2)
能力タイム=補正前の能力タイム/負担重量補正値
f(X):過去のデータから得た馬ごとの負担重量比への影響の傾向を
表す平均的な1次関数(芝/ダート別)
X1 :当該出走馬の負担重量比
X2 :標準負担重量比(牡、せん馬:56kg、牝馬:55kgと
したときの負担重量比)